人間が生きていくうえで欠かすことができない「水」。生命を維持するために必要なものであるだけでなく、生活していくうえでも大変重要です。飲用以外で、水を一切使用しない日はありますか?
朝起きてから、夜寝るまでの間にどれほどの水を使用しているでしょうか。洗顔、歯磨き、トイレ、手洗い、食事の準備や後片付け、風呂、掃除、花壇や菜園の水やり・・・。ひとつひとつ挙げていくときりがありません。
水は家庭でだけ使われるものではなく、工場などでも大量の水が使用され、上下水道を通り河川や海、下水に排出され続けています。常に生活廃水や工場廃水が流れ出ているにもかかわらず、水資源から飲用に耐えられるほどのきれいな水に浄水できるのはなぜでしょうか。
家庭や工場から排出される排水は、さまざまな物質が含まれています。
そのため、排水処理装置で「水質汚染防止法第3条1項の規定に基づき、排水基準を定める省令」もしくは、皆さんがお住まいの自治体の定める「水質汚濁防止法排水基準」を満たした処理を行ってから、河川、海に排水しています。
その後、水は浄水場などで浄化されて私たちの家庭で使用できる水となって供給されるわけです。廃水は、そのまま浄水場にいくものだと思っていた方も多いのではないでしょうか。
見えない形で私たちの生活を支えている排水処理装置が、廃水を浄化し、汚染から環境を守るためにひっそりと機能してくれているのです。排水処理装置というものは、私たちの生活、社会における経済活動と密接にかかわり、大切な水資源を守ってくれています。
例え見た目が透明に見えても、廃水には人体に害を及ぼすような物質が含まれている場合があります。
廃水処理装置のなかには、活性汚泥法と回転生物接触法を進化させ、「バチルス菌」という好気性菌を立体回転装置と組み合わせて、今までは処理することができなかった窒素、リン、悪臭、工場などから排水される高濃度廃水などの問題も解決できるようなシステムも開発されています。
私たちがふだん意識せずに、蛇口から出る水を使用することができるのは、排水処理装置のおかげだと言っても過言ではありません。私たちにできることは、これらの仕組みがあることを理解し、日々の生活で節水や汚染に配慮した生活を送ることです。
次世代のために、豊かで美しい水資源を残していけるよう心がけていきましょう。